日本語で「キレイ。」は、当然「美しい。」という意味である。しかし、タイでは違います。
私が宿泊していた、バンコクのホテルで結婚披露パーティが行われていた。
エントランスから白い布と花で飾られた会場へと続く通路は、それはそれは華やかで地元の裕福な家庭の結婚式だと思った。
着飾った親族や招待客が待つ会場の入り口付近には、満面の笑みを湛えた新郎新婦の大きな写真が飾られていた。
幸せそうな新婦は、かなりの美人だった。
日本人なら誰だって、「キレイ!」と思わず言うはずだ。
私も笑顔で「わー、きれい!」と叫んでしまった。
すると、それまでとは周囲の雰囲気が一転した。
私の声を聞いた人たちからは、笑顔が消え、私のことを睨むのです。
理由がわからない。
微妙に変な顔をしている人たちに、「Beautiful! Oh Pretty!」と、言ってみたが笑顔は戻らない。
居ずらくなって、仕方なく退散した。
後日、彼等が私を睨んだ理由がわかった。
タイ語で『キレイ』は、『醜いとか、汚い』という意味だった。
そりゃ、怒るわね。
みなさんもタイに旅行する時には、不用意に「キレイねー。」と言わないこと。
お土産物屋で、「キレイ」を連発していた日本人観光客もお店の人にイヤーな顔をされていましたよ。 |